開業前に押さえておきたい!
飲食店の設備工事の注意点について知る!
これから飲食店の開業をする方にとって、内装工事や設備工事にかかる費用は気になるところですよね。飲食店にも業種は色々あるので、物件選びや厨房設備で費用は異なって来ます。ここでは、飲食店の設備工事の注意点や必要な費用についてお伝えします。是非、工事を行う際の参考にして下さいね。
基本的な飲食店の内装費内訳とは?
床・壁・天井の工事費
飲食店の内装費で大きく占める部分は、床、天井、壁などの工事費用が挙げられます。床には、フローリング、カーペット、クッションフロアなど、使用する素材によって費用は異なります。また、和風のお店であれば畳を敷く場合もあるので、そうなるとその分の予算も検討しなくてはなりません。それに、天井工事では、クロス張り替えだけなら高額になりませんが、天井の高さを変える、断熱リフォームをする、このような場合になると別途で費用が発生してきます。
また、近年、風情のある古民家テイストなお店も流行っていますが、古い物件のリノベーションとなれば、腐食している場合には天井板の交換も必要です。さらに、シーリングファン設置を検討しているとなると、その分の費用も見込むことが必要です。壁もまた、お店の雰囲気を変える大事な内装ポイントなので、ビニールクロスの場合は安価で種類も多く簡単工事ですが、自然素材にこだわった場合はビニールクロスより2倍以上の予算になることもあります。
電気・ガス・水道の工事費
電気・ガス・水道の工事費と言うのは、内装工事では目に見えない部分ですが、費用は色々とかかってきます。例えば、営業していく為に必要なインフラは、居抜き物件で使用出来る物があれば良いですが、一から造る場合には、電気工事、ガスの配管工事、水道工事など、色と費用がかかってきます。また、排気工事では、ビルの上にダクトを持っていく場合と壁から排気する場合があり、双方で価格差が生じる為、配置確認が大切になります。
家具の購入費
飲食店では、テーブルや椅子などの家具費用も内装費に含まれています。特に、デザインや使用感にこだわるが無い場合は安く購入も可能です。しかし、アイテムにこだわりたい場合であれば、業務用アイテムを販売するショップでお得にまとめて購入することも出来ます。
内装デザイン費用
飲食店の内装デザイン費と言うのは、基本的に施工費の約10%程度が目安となっています。ですが、この費用相場はあくまでも目安なので、店舗全体をデザインしてもらう、部分的に依頼するなど、依頼する範囲で価格は変わります。また、デザイン会社により一坪あたりのデザイン単価も違うので、施工費の約10%は目安の気持ちで、詳細金額については問い合わせて確認するようにしましょう。
各設備工事の注意点と費用相場とは?
飲食店の電気工事
飲食店の電気工事では、分電盤や配線工事などで約80~120万円程度が目安です。もし、電気容量不足の場合には、幹線引き込み工事が別途必要になります。幹線引き込みと言うのは、電気容量を増加する為に、太い幹線に変更して使用可能電力を増電する工事です。飲食店の中でもカフェやバーに関しては少電気容量で問題ありませんが、居酒屋や焼肉店に関しては大型冷蔵庫の為に大量電力を要するので、場合によっては幹線引き込み工事が必要なケースもあります。
飲食店の水道工事
飲食店の水道工事では、厨房に水道管や排水設備を引き入れる際に必要になります。スケルトン物件で約60~120万円程度が目安です。この水道工事では、グリストラップ設置と厨房床の種類、これら2つの注意点を押さえておく必要があります。
グリストラップと言うのは、油脂や生ごみを直接下水に流さない為に、グリストラップ設置義務があり、基本的に飲食店の厨房には設置が必要です。厨房側溝から排水をそのまま流すのでは無く、油・野菜くずなどを回収する機器になります。自治体によっては、グリストラップの設置義務が無い場合もあるのですが、先ずは出店地域のルールを確認しましょう。義務では無くとも、実際には厳しく下水基準が設けられているので、大体どこの飲食店でも自発的に設置しています。
グリストラップ設置方法には、床埋め込みタイプとシンク下設置タイプがあります。床埋め込みタイプでは水道工事を要しますが、飲食店の業種によっては機器のサイズが変わるので、それぞれの業種によって水道工事費用は様々です。一方、シンク下設置タイプでは水道工事不要で費用削減が可能ですが、店舗面積や油使用量によって利用不可の場合もあります。グリストラップの設置は、飲食店開業で必要費用になるので、必ず施工業者へ確認しるようにしましょう。
また、洋食レストラン、中華料理屋、焼肉店など、火と油を頻繁に使う飲食店では、床に水を大量に流せるウェットキッチンがお勧めで、簡単に汚れを水で流すことが出来ます。しかし、工事費用はその分高くなります。一方、カフェなどのように本格的な厨房設備が必要でないお店では、費用を削減出来るドライキッチンの使用も可能です。
飲食店のガス工事
飲食店のガス工事では、なるべく飲食店用にガスが引かれた物件選びがポイントです。その場合、ガスの配管工事費用は約30~40万円程度 が目安です。一方、テナントビルの場合は、各テナントへ一本の供給管からガスが割り当てられているのが通常です。割り当て容量不足だと、本管から引き込み管の交換工事が必要で、工事費用は高額になります。
飲食店の空調工事
飲食店の空調工事では、室外機の設置場所で業務用エアコンの工事費用は変わります。大まかな目安としては、約15~20坪程度の飲食店で約80~120万円程度となっています。しかし、店舗面積が広くてエアコンと室外機が離れている、特殊空調設備を要する、このような場合には空調設備は高額になります。
飲食店の厨房設備費用を抑えるポイントとは?
中古設備を使用する方法
中古厨房設備を使用することで、新しい厨房設備の導入に比べて購入費用を節約することが出来ます。しかし、お得な中古品とは言っても、購入した後に直ぐ故障する恐れもあるので、厨房設備を中古で購入する際には事前に保証期間を必ず確認しましょう。また、中古品から選ぶ方法もありますが、冷蔵庫や冷凍庫などに関しては、新品でもセールになっていてお得に購入することが出来たり、型落ちの厨房設備であれば中古品よりリーズナブル価格で入手出来たりする可能性もあります。
厨房設備をリースで揃える方法
厨房設備をリースする場合、それにかかる費用と言うのは月々の支払いになり、厨房設備導入コストをカットすることが出来ます。また、機器が不要なればリース会社へ返却するだけなので、機器処分費用はかから無い点もメリットです。リースで厨房設備を使用する場合、毎月利用料金を支払う形になるので、総合的に見た際に機器を一括購入するより、費用がかかかってしまうことになります。ですが、飲食店経営を継続的に運営していける場合、デメリットを考慮しても、リースの活用は十分有益な方法と言えます。
まとめ
ここでは、飲食店の設備工事の注意点や必要な費用についてお伝えしてきましたが、いかがでしたか?飲食店の設備工事を行う際のポイントを、しっかり把握することが出来たのではないでしょうか。設備工事をする際には、そのポイントを押さえた上でしっかり準備を整え、設備工事をスムースに行って行きましょう。